アーキテクチャーの実践

ArcGIS を使用して設計するシステムおよびソリューション アーキテクチャー プロセスには、さまざまな形式があります。 一部のプロジェクトでは、十分に設けられたアーキテクチャー フェーズの中で、要件が慎重に定義およびレビューされ、特定のシステム設計が策定される場合もありますが、他のシステムやプロジェクトでは、よりアジャイルな方法を採用し、それに応じたアジャイルなアーキテクチャー設計が必要になることがあります。

ArcGIS を使用してアーキテクチャーを設計するための適切な方法、単一のフレームワーク、または最良の取り組みは定義されていませんが、ArcGIS Well-Architected Framework のこのセクションでは、ベスト プラクティスを共有し、主要なテクノロジーのトピックと、デプロイメントの考慮事項に関するガイダンスを提供して、特定のシステムまたはプロジェクト向けのより高度で効果的なアーキテクチャー プロセスを広くサポートします。

ArcGIS システムに関連するアーキテクチャーの実践は、過去 30 年間に Esri コミュニティで発展してきました。 処理能力、ストレージ パフォーマンス、WAN 帯域幅などの概念は設計にとって依然として重要ですが、セキュリティー、エンタープライズ統合、データ主権などの新たな要件領域が加わることで、幅広い要素を考慮する体系的なアーキテクチャー設計アプローチの重要が高まっています。 新しいテクノロジーによって新しい要件が推進されることで、ArcGIS システムの設計手法は絶えず進化し、アーキテクトにとっての主な課題 (および着想) の 1 つは、これらの新しいトレンドとツールの最先端に居続けることです。

Well-Architected Framework のこのセクションには、次の 3 つの主要なサブセクションがあります。

  • アーキテクチャーの基盤」では、設計プロセスとアーキテクチャーの手法を取り上げます。
  • 成功のためのアーキテクチャー設計」では、人員とプロセスに加えて、成功するシステムの全体的な構造を取り上げます。
  • アーキテクチャーの柱」では、6 つの主要なテクノロジー領域を取り上げ、システムを設計する際に使用される主要な考慮事項、推奨事項、および情報を提供します。

アーキテクチャーの基盤

アーキテクチャーの基盤では、アーキテクチャー設計プロセスへの効果的な関与方法に関する推奨事項や、すべての ArcGIS システムに共通する主要なデプロイメント概念、設計上の意思決定、トピックを取り上げます。 設計原則には、アーキテクチャーのコンポーネント、ArcGIS SDK による拡張、および環境分離の概念に関連する主要な決定事項が含まれます。 デプロイメントの概念サブセクションには、ArcGIS アーキテクチャーに関連するさまざまな IT トピックについてのトピックが含まれています。

成功のためのアーキテクチャー設計

システムの設計と運用を成功させるには、人員、プロセス、ガバナンスを慎重に検討する必要があります。これらは、成功し、広く採用され、健全なシステムを構築するために不可欠です。 成功のための設計には、ガバナンススタッフの能力開発GIS プログラムの構築などに関連するトピックが含まれます。

アーキテクチャーの柱

システム パターンの実装と ArcGIS システムのアーキテクチャーの実践をサポートするため、Esri は適切に設計されたシステムの設計と実装に大きく貢献する 6 つのアーキテクチャーの柱 (技術領域) を識別しました。 このセクションでは、各アーキテクチャーの柱のベスト プラクティスと成功したアプローチについて取り上げ、Esri がそれぞれの柱をサポートし、各柱に対応・連携するソフトウェアをどのように開発したかについての視点を共有します。 Well-Architected Framework のアーキテクチャーの柱は、自動化、統合、可観測性、パフォーマンスと拡張性、信頼性、セキュリティーの 6 つです。

関連リソース:

自動化

ソフトウェアの導入を自動化する場合でも、特定のワークフローを自動化する場合でも、自動化は最新のシステムの効率をさらに促進します。 このセクションでは、ArcGIS システム全体で自動化の機会が存在する場所と、ArcGIS Pro、ArcGIS Enterprise、および ArcGIS Online で自動化ワークフローが一般的にどのように実装されるかについてのガイダンスを提供します。 Infrastructure-as-Code、Chef や PowerShell DSC などのツール、その他の方法によるデプロイメントの自動化についても解説し、広範なドキュメントへのリンクを紹介します。 自動化の柱の詳細については、こちらをご参照ください。

統合

完全に独立して動作するシステムは存在しません。ほとんどのシステムは他のシステムに大きく依存しています。 ArcGIS は、データ、トランザクション、ワークフロー、およびユース ケースの位置情報を共通レイヤーとして使用し、他のエンタープライズ システム間の優れたインテグレーターです。 このセクションでは、潜在的な統合を行ういくつかの方法と、これらのプロセスを可能にする主要なテクノロジーについて説明します。 また、データ レイクやデータ ウェアハウスなどの一般的な外部システム、Webhook を使用した統合パターン、および API 管理レイヤーなどの外部アーキテクチャー コンポーネントについても解説します。 統合の柱の詳細については、こちらをご参照ください。

可観測性

システムがどのように動作しているか、ベースラインと比べてどのような状態かを把握するには、システムのメトリック、ステータス、プロセスを観察することが極めて重要です。 このセクションでは、ArcGIS で可観測性の問題に取り組む方法についてトピック ガイダンスを紹介します。また、ArcGIS システムで可観測性の目標を実装する方法や、サード パーティの可観測性サービスと統合する方法についてのガイダンスも紹介します。 可観測性の柱の詳細については、こちらをご参照ください。

パフォーマンスと拡張性

このセクションでは、パフォーマンスのベースラインを確立し、サービスとシステムのパフォーマンスを最適化するための手法について解説します。 ユーザーはパフォーマンスに関するこれまでの経験に基づいてシステムを判断することが多いため、この柱はシステムを導入し、長期にわたって運用可能なものにするうえで極めて重要です。 拡張性はワークロードの分離でも対処でき、堅牢なテスト戦略により、パフォーマンスの選択と決定が知識に基づいて行われることが保証されます。 パフォーマンスと拡張性の柱の詳細については、こちらをご参照ください。

信頼性

エンタープライズ システムは、組織のビジネスを運用する一方で、他のビジネス プロセスがこのシステムと統合され、依存していることから、信頼性が高い必要があります。 この柱には、この分野における考慮事項と推奨事項が含まれます。アーキテクトは、コストを管理し、ロード バランサーや高可用性の要件などの組織の標準およびツールと同期するとともに、信頼性の目標を満たすシステムを設計するよう努めるためです。 信頼性の柱の詳細については、こちらをご参照ください。

セキュリティー

ソフトウェア、SaaS、PaaS のいずれを使用してシステムをデプロイする場合でも、ユーザーの ID を確立し、システムの境界と内部の両方を保護することが重要です。 このセクションでは、IT 業界における新しいセキュリティーのトレンドと、これらのテクノロジーが ArcGIS およびアーキテクチャー プロセスとどのように相互作用するかに関連する推奨事項も紹介します。 ArcGIS Trust Center では、セキュリティー、コンプライアンス、およびプライバシーに関連するさまざまな情報も提供しています。 セキュリティーの柱の詳細については、こちらをご参照ください。

Top