ArcGIS ソフトウェアは、15 年以上にわたり AWS (Amazon Web Services) にデプロイおよび統合されており、ArcGIS 全体で新しいクラウド サービスの緊密な連携と継続的な導入が進んでいます。
多くの組織が AWS 上で ArcGIS システムを設計しており、さまざまな AWS サービスや概念を用いて、複雑さの異なるシステムを構築しています。 このセクションでは、AWS サービスの統合について簡潔に説明し、必要に応じて関連ドキュメントやガイダンスへのリンク、および関連するベスト プラクティスを紹介します。
AWS ベースの ArcGIS システムの基盤となるのは、ソフトウェア コンポーネントのホスティングを提供する計算リソースです。 ここでは、AWS がさまざまな ArcGIS シナリオにどのように活用できるかを例示します。
AWS EC2 インスタンスは仮想マシンとしてオペレーティング システムをホストするために使われます。 これらは、ArcGIS Enterprise コンポーネント、アプリのホスティング ワークフロー、マネージド サービスを使用しない場合のデータベース、ArcGIS Pro クライアントのホスティングに利用できます。 EC2 インスタンスは、インスタンス クラスやタイプごとに、計算、メモリー、ネットワーキング、その他の考慮事項のバランスを考慮した、幅広い構成で提供されています。 ArcGIS のワークフローの場合、ほとんどの組織では一般的なインスタンス タイプから始め、特定のワークフロー要件や、観察されたシステム リソースの使用状況に基づいて、目的に合わせて調整していきます。
Lambda Python 関数では、ArcGIS API for Python を活用できます。これにより、Lambda の実行に基づいて ArcGIS のコンポーネントに対してコマンドを実行できます。
JavaScript ベースの Lambda 関数は ArcGIS REST JS モジュールを使って、ArcGIS サービスとのやり取り、データのクエリー、組織コンテンツへのアクセス、位置情報サービスとの連携を行います。
Lambda 関数は、環境内 (内部サービス エンドポイントとして)、外部向け、または Amazon CloudFront との Lambda Edge 統合による CDN デプロイメントの一部としてデプロイ可能です。
AWS EKS は、ArcGIS Enterprise on Kubernetes がサポートする環境の 1 つである、マネージド Kubernetes サービスを提供しています。 組織は、ArcGIS Enterprise on Kubernetes を既存の EKS ワークロードに統合し、組織の経験を活かしながら、確立されたネットワーク構造や制約の中で作業できます。
Amazon S3 は、強靭でグローバルに分散されたオブジェクト ストレージ サービスであり、さまざまなパターンで ArcGIS と併用されています。 S3 バケットは、EC2 インスタンス向けの IAM ロールなどの堅牢な認証パターンをサポートし、あらゆる種類のファイルを保存するために使用できます。
S3 ストレージは、ポータル コンテンツ ディレクトリーを含む ArcGIS Enterprise システム ディレクトリーのストレージとして、そして ArcGIS Server サイトの構成ストアやディレクトリー ストレージとして使用できます。 S3 ストレージは、マップやイメージ サービスのキャッシュを保存するためのキャッシュ ディレクトリーとしても利用できます。
多くの ArcGIS システムは、S3 に保存されたイメージ データと連携します。これらのデータは、多くの場合、クラウド ストレージ接続を通じてアクセスされ、ArcGIS Pro で使用できるほか、モザイク データセットに追加されて ArcGIS Image Server を通じて公開されます。
ArcGIS Data Pipelines は S3 内のさまざまなデータ形式と連携し、地理空間フィーチャの抽出、情報付加、または変換を行って、リモート サービスに書き込むことで、ArcGIS のワークフローへの統合を可能にします。
ほとんどのシナリオでは、マッピング ワークフローでは S3 内のベクター データの直接読み取りはサポートされていませんが、これらのベクター データセットを解析の入力として使用することは、AWS 内または AWS に隣接する Spark 環境で実行されている ArcGIS Pro または ArcGIS GeoAnalytics Engine を使用した地理解析ワークフローでは一般的です。 ArcGIS Pro は、クラウド ストレージ接続から Apache Parquet ファイルに接続し、読み取ることもできます。
Amazon RDS サービスはマネージド リレーショナル データベースのホスティング オプションを提供しています。これは、エンタープライズ ジオデータベースをホストする方法として ArcGIS システムでよく利用されますが、クエリー レイヤーを介して RDS データベースと直接やり取りする方法もサポートされています。 ArcGIS はさまざまな RDS サービスを直接サポートしていますが、データベース システムが提供する空間タイプのみがサポートされている点が異なります。 RDS データベースは、Kubernetes Enterprise のリレーショナル ストアとしても構成可能です。
Amazon Redshift は、大規模なビジネス データセットのスケール処理された解析をサポートするデータ ウェアハウス サービスです。 ArcGIS は、クラウド データ ウェアハウスとしての Amazon Redshift への接続をサポートしています。この接続は ArcGIS Pro を通じて作成されたクエリー レイヤーと公開マップ サービスを介して行われます。 他のクラウド データ ウェアハウス接続については、この分野のベスト プラクティスに従い、データ レイクとデータ ウェアハウスのコンテンツをご参照ください。
Amazon EFS は、Linux EC2 インスタンスと組み合わせて構成し、ファイルやコンテンツを保存できるファイル システム サービスです。 Linux 上に構築された ArcGIS Enterprise システムは、EFS 構成と連携して、共有コンテンツや構成を高可用性アーキテクチャーに保存できます。
Amazon EC2 インスタンスには、AWS EBS サービスが提供するマウント ブロック ストレージが構成されています。 このストレージは通常、EC2 インスタンスにストレージ ドライブとしてマウントされ、ローカル データの保存や ArcGIS Enterprise の構成コンポーネントに使用されます。
AWS Elastic Load Balancer は、特に高可用性構成にある ArcGIS システムに対してパワフルな機能を提供します。 負荷分散やリバース プロキシーは、高可用性以外のシステムでも一般的に使われており、インターネットやより広範なネットワーク ゾーンからのクライアント トラフィックを ArcGIS Enterprise のバックエンド サーバー コンポーネントに伝達するために頻繁に使用されます。
Amazon API Gateway サービスは、特定の HTTP エンドポイントやメソッドを定義し、バックエンドの Lambda 関数、AWS サービス エンドポイント、または ArcGIS Enterprise サービスなどのソフトウェアベースの Web サービスへ転送する方法を提供します。 API Gateway サービスの利用は、他の API 管理技術と同様の推奨事項に従って行われます。
Amazon CloudFront は、Web ページや Web サービスの応答のグローバルなエッジ キャッシュを提供できるマネージド CDN サービスです。 AWS の広範なポイント オブ プレゼンス ネットワークを基盤に構築された CloudFront ディストリビューションは、ユーザーの近くに応答をキャッシュすることで、Web アプリケーションと静的アセットへのアクセスを大幅に向上します。 ArcGIS Maps SDK for JavaScript で構築された地理空間 Web アプリは、CDN 配信や加速化に適しています。 ArcGIS Enterprise の Web サービスは、特定のシナリオで AWS CloudFront と互換性がありますが、ユーザーがクエリーに対して正しい応答を受け取り、古いデータや構成にアクセスしないように、キャッシュの設定と有効期限を慎重に管理することが重要です。
多くの組織では、ユーザーに充実したアプリケーション エクスペリエンスを提供するために、VDI (仮想デスクトップ インターフェイス) を使用しています。 ArcGIS システムでは、これは主に ArcGIS Pro の構成を意味します。ArcGIS Pro は中央のネットワーク拠点にホストされながら、複数の場所にいるユーザーがリモートでアクセスできます。 このパターンにより、ArcGIS Pro セッションからデータやサービスへの通信が最適化され、ユーザーへの長距離通信で伝達されるのは、リモート セッションの視覚的フィードバックとユーザーからの入力コントロールのみとなります。
コードとしてのインフラストラクチャーやソフトウェア デプロイメントの自動化を検討している組織にとって、ArcGIS CloudFormation テンプレートは特定のシステム アーキテクチャーをデプロイするための環境特有のテンプレート セットを作成する優れた出発点となります。
ネットワーキング、計算、ストレージ リソースのインフラストラクチャー デプロイメントとスクリプト実行を組み合わせ、ArcGIS PowerShell DSC や Chef を用いて ArcGIS ソフトウェアをデプロイする CloudFormation テンプレートは、再現性のあるコード定義型のデプロイメント パターンを提供し、一貫性、信頼性、エンタープライズ IT の整合性を促進します。
AWS Cognito は多様なアイデンティティー関連サービスを提供しており、ArcGIS Enterprise や ArcGIS Online の OIDC (OpenID Connect) プロバイダーとして利用できます。 Cognito のアイデンティティー プールはさまざまなログイン パターンで設定でき、その後 Cognito の ID に基づいてログインできる ArcGIS ユーザー アカウントを作成できます。