リアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムのデプロイメント パターンの選択

リアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムは、通常、次の 2 つのデプロイメント パターンのいずれかを使用してデプロイされます。

デプロイメント パターンの選択は、組織の GIS システムを設計する際の最も重要な決定事項の 1 つです。

この決定では、さまざまなデプロイメント アプローチをサポートするにあたって、組織の IT 方針、ガイドライン、および許容度と一致させることが最重要事項となります。 たとえば、SaaS ベースのシステムとソリューションで標準化することを好む組織もあります。 また、Windows または Linux ベースのデプロイメント パターンを好む組織もあります。

注意:

機能と検討事項は、デプロイメント パターンによって異なります。 詳細については、以下の比較とデプロイメント パターンのページを確認してください。

これらのデプロイメント アプローチに関する一般的な情報と考慮事項については、ArcGIS の概要の「ArcGIS 製品とデプロイメント オプション」ページをご参照ください。

機能の比較

IT 方針、ガイドライン、および許容度に一致させるだけでなく、意思決定プロセスにおいて各デプロイメント パターンの機能を考慮することも重要です。 リアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムの機能は、デプロイメント パターンによって異なります。 次の表は、各デプロイメント パターンでサポートされている特定の機能を比較したものです。

セルフサービスのマッピング、解析、および共有システムで使用される機能のうち、通常は他のシステムによって提供される機能 (ベースマップ、ジオコーディング、位置情報サービス システムによって提供されるその他の位置情報サービスなど) は、以下には含まれていません。 関連するシステム パターンの詳細をご覧ください。

機能 SaaS Windows/Linux
フィードの取り込み1
データの取り込み
空間結合と空間リレーションシップ
パターン解析
近接解析
集計分析  
トラッキング解析
ジオフェンス解析
データ管理
カスタム入力コネクター  
カスタム解析ツール  
カスタム出力コネクター  
マッピングと視覚化
データの公開とホスティング
フィードの公開とホスティング
メッセージの送信と保存2
共有3

フルサポート 一部サポート

  1. サポートされている入力コネクター (フィードの種類) は、デプロイメント パターンによって異なります 

  2. サポートされる出力コネクターは、デプロイメント パターンによって異なります 

  3. 通常、別のシステム パターンによって提供される共有機能です 

上記の各行の詳細については、リアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムの機能をご参照ください。 また、上記の各セルについては、リアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムのデプロイメント パターンのページで詳しく説明しています。

上記の機能は、2025 年 7 月時点で利用可能な機能を反映しています。

一般的な検討事項

以下の考慮事項は、組織のビジネスと IT のニーズを適切なリアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムのデプロイメント パターンに合わせることを目的としています。 ここに示す情報は、すべてを網羅するものではなく、リアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムの設計と実装における主要な考慮事項に焦点を当てています。

  • スケーラビリティー、信頼性、SLA (サービス レベル アグリーメント)、セキュリティー、組織と Esri 間の責任のバランスは、デプロイメント パターンの選択における主要な要因になる傾向があります。 詳細については、信頼性パフォーマンスとスケーラビリティー、およびセキュリティーの柱をご参照ください。
  • ArcGIS Online および ArcGIS Velocity を使用した SaaS デプロイメント パターンでは、市場投入までの時間が最も短縮されます。
  • SaaS デプロイメント パターンと Windows/Linux デプロイメント パターンでサポートされる入力コネクターは大きく異なります。 いずれのデプロイメント パターンも、Web、メッセージング、ArcGIS、およびデータ プロバイダーベースの入力タイプから成る共通のセットをサポートしています。 さらに、ArcGIS Velocity を使用した SaaS デプロイメント パターンでは、一般的なクラウド プロバイダーに追加サポートが提供され、ArcGIS GeoEvent Server を使用した Windows/Linux デプロイメント パターンでは、さまざまな標準形式およびシステム用のアドオン入力コネクターのギャラリーが提供されます。
  • ArcGIS GeoEvent Server を利用した Windows/Linux デプロイメント パターンでは、カスタム入力コネクター、出力コネクター、解析ツールまたはプロセッサーをコードを使用して開発するための拡張性モデルが提供されます。 また、アドオン プロセッサーおよびコネクターのギャラリーも用意されています。 GeoEvent Server SDK を使用した GeoEvent Server の拡張の詳細をご参照ください。
  • このシステム パターンでのビッグ データ解析の用途は、デプロイメント パターンによって異なります。 SaaS デプロイメント パターンには、システムの一部としてビッグ データ解析機能が含まれているほか、システム外部の履歴データを取り込む機能も含まれています。 Windows/Linux デプロイメント パターンでは、ArcGIS が管理する時空間ビッグ データ ストアに過去の観測データを格納することができます。ただし、このデータのバッチ解析は通常、ビッグ データ解析システム、またはリアルタイム データ ストリーミングおよび解析とビッグ データ解析システム パターンの両方で構成されるシステムによって実行されます。
  • リアルタイム フィードおよびビッグ データ解析の結果を幅広いユーザーと共有するには、通常、セルフサービスのマッピング、解析、および共有システム パターンまたはエンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システム パターンを使用します。 通常は、これらの 1 つまたは両方をリアルタイム データ ストリーミングおよび解析システム パターンと組み合わせます。

デプロイメント パターンの選択は、組織の GIS システムを設計する際の最も重要な決定事項の 1 つです。 しかし、決定事項はそれだけではありません。 システムの設計には、セキュリティー、信頼性、統合など、検討すべき要素が多数あります。 そのため、ここに記載されている情報がすべてとは考えないでください。 ArcGIS Well-Architected Framework のアーキテクチャーの実践および製品ドキュメントを設計プロセスの一部として詳細に確認してください。

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