システム パターンの構造
ArcGIS システム パターンは、ArcGIS ソフトウェアおよびサービスを使用して実装する一般的な地理空間システムの類型です。
ArcGIS システム パターンは、主に 2 つの詳細レベルで説明されます。 最上位のレベルは、システム パターンの概要で、システム パターンを製品やデプロイメントに依存しない形で紹介します。 システム パターンはデプロイメント レベルでも説明されます。各システム パターンには、特定の ArcGIS 製品、機能、および技術的な検討事項とともに、論理的な詳細レベルで説明される 1 つ以上の一般的なデプロイメント パターンが含まれています。
ArcGIS システム パターンを初めて使用する場合は、まずイントロダクションを確認してください。
概要レベル
概要レベルは、システム パターンの解説の導入部です。 このレベルでは、パターンの使用目的と、パターンが組織に提供できる価値に焦点を当てます。 また、システム パターンが提供できる特定の機能についても説明します。
システム パターンの概要については、以下のセクションで説明します。
- 説明と価値。 システムとは何か、組織における一般的な機能、およびシステムが組織に与えうる価値や影響について簡単に説明します。
- ユーザー ペルソナとワークフロー。 システムと対話する主要なユーザー ペルソナ (または種類、ロール) と、システムによって有効になる一般的なワークフロー、タスク、または機能について説明します。
- アプリケーション。 上記のユーザー ペルソナがシステムと対話するときに最も一般的に使用されるアプリケーションを紹介します。 ほとんどの場合、これらのアプリケーションはすべてのデプロイメント パターンで同様に使用されます。 通常、このセクションには、詳細に関する特定のアプリケーション製品ページへのリンクも含まれています。
- 機能。 システムによって提供される主要な機能を紹介します。 一部のシステム パターンには、業界固有の機能とソリューションも含まれる場合があります。 すべての機能がすべてのデプロイメント パターンで使用できるわけではなく、一部の機能を使用するには追加のソフトウェアやライセンスが必要な場合があることに注意してください。 この概要で説明する機能は、すべてのデプロイメント パターンで使用できる機能のスーパーセットを表しています。
- アーキテクチャーに関する検討事項。 システムが ArcGIS アーキテクチャーの特定の側面とどのように連携し、焦点を当てるかについて説明します。 このセクションで説明する情報は、ArcGIS アーキテクチャーで説明されているものと同じアーキテクチャー階層またはエリアごとに整理されています。
- アプリ (プレゼンテーション) では、システム パターンを操作するときに検討すべきアプリケーションの種類、フォーム ファクター、エクスペリエンスについて説明します。
- サービス (ロジック) は、システム パターンで一般的に使用されるデータ、視覚化、解析、ポータル サービスに加え、アプリケーションや他のシステムとの通信に一般的に使用される REST API およびその他のインターフェイスについて説明します。
- データ (永続性) は、システム パターンが機能するために必要な、空間データと非空間データの両方で構成されます。 これには、データ ストアと情報モデルの両方が含まれます。
- サポートには、システム パターンが効果的に動作するために必要な IT の概念とアーキテクチャーの柱が広く含まれます。
- 統合および関連するシステム パターンは、このシステム パターンと一般的に統合されるシステム、アプリ、ツール、データ ストア、およびコンテンツまたはサービス プロバイダーを識別します。 これには、このシステム パターンと併用して一般的に使用される他の ArcGIS システム パターンも含まれます。
- 例。 システム パターンは業界固有のものではなく、さまざまな業界や市場に適用できます。 このセクションでは、このシステム パターンを使用して実現できる特定のシステムの例とケース スタディ (利用可能な場合) を、場合によっては業界別に整理して提供します。
システム パターンの概要は、導入部として説明することを目的としています。 次の主要な検討事項は、デプロイメント パターンを選択し、システムの計画と設計で検討すべき機能的要素と非機能的要素の一部を理解することです。
デプロイメント レベル
デプロイメント パターンは、概要よりもさらに深く、システム パターンの最も一般的なデプロイ方法を紹介します。 デプロイメント パターンは、次のような基本的な ArcGIS 製品とデプロイメント アプローチと一致しています。
- ArcGIS Online (SaaS)
- ArcGIS Enterprise for Windows/Linux (Windows/Linux)
- ArcGIS Enterprise for Kubernetes (Kubernetes)
- ArcGIS Location Platform (PaaS)
すべてのシステム パターンが、上記のすべてのデプロイメント アプローチをサポートしているわけではありません。 さらに、一部のシステム パターンには、より専門的なデプロイメント アプローチが組み込まれている場合があります。Apache Spark 環境への埋め込みをサポートするビッグ データ解析システム パターンなどがこれに該当します。
各システム パターンのセクションには、デプロイメント パターンの選択に関するページがあり、各デプロイメント パターンの理解と比較に役立ちます。 これには、各デプロイメント パターンでサポートされる機能の比較と、デプロイメント パターンを評価および選択する際に考慮すべき追加情報が含まれています。
システム パターンには、各デプロイメント パターンに関する詳細情報も含まれており、それぞれが独自のページに表示されます。 デプロイメント パターンの詳細については、以下のセクションで説明します。
- 基本アーキテクチャー。 システム パターンの基本機能を実装する一般的な論理レベルのアーキテクチャー ダイアグラムを示します。 さらに、基本アーキテクチャーには次の特徴があります。
- ArcGIS Online などの基本的な ArcGIS 製品をダイアグラムに組み込みます。
- アプリ、サービス、データ、サポート、統合を、ArcGIS アーキテクチャー ダイアグラムに示されているのと同じ色で区別します。
- ダイアグラムに示されている各主要コンポーネントと相互作用の説明と、追加情報へのリンクが含まれています。
- すべての拡張機能に必要なシステム コンポーネントは含まれていません。
これらの基本アーキテクチャーをそのままシステム設計として使用しないでください。 システムの設計時には、重要な要素と設計上の選択肢を数多く検討する必要があります。 詳しくは、システム パターンの使用のトピックをご参照ください。
- 機能。 デプロイメント パターンでサポートされる機能のリスト、デプロイメントおよび製品固有の検討事項、追加情報へのリンクを示します。 機能は、基本機能と拡張機能に分けられます。 基本機能は、パターンを実装するほとんどのシステムに共通であり、通常は上記の基本アーキテクチャーを通じて提供されます。 拡張機能は基本機能を超える機能で、通常は、より専門的、より高度、または業界固有のニーズとワークフローに対応するために提供されます。 拡張機能には、追加のソフトウェア コンポーネントまたはライセンスが必要になる場合があります。
- 検討事項。 ArcGIS Well-Architected Framework の柱を、この特定のシステムおよびデプロイメント パターンのコンテキストに適用します。 ここに示す検討事項は、すべてを網羅するものではなく、システムとデプロイメント パターンの特定の組み合わせを設計または実装する際に検討すべき主要な事項に焦点を当てています。 ArcGIS Well-Architected Framework の柱の詳細については、アーキテクチャーの柱をご参照ください。
システム パターンのデプロイメント レベルは、特定のデプロイメント パターンのコンテキストにおける技術情報、ガイダンス、および検討事項を提供します。
システム パターンの使用について、さらに詳細をご覧ください。