エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システム
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは、企業の関係者や一般の関係者にアプリケーションを提供します。 このシステム パターンから提供されるアプリケーションは、Web アプリケーションまたはモバイル アプリケーションとして提供される傾向があり、通常は、信頼性、パフォーマンス、スケーラビリティーなどの領域に対して厳格な技術要件と SLA があります。
このシステム パターンは、機能とテクノロジー コンポーネントの点で、セルフサービスのマッピング、解析、共有システム パターンと似ていますが、アーキテクチャーの観点からは大きく異なります。 具体的には、このシステム パターンは、企業の重要な機能を実行する広範な関係者グループに、堅牢で安全、かつ高パフォーマンスのアプリケーションを提供することに重点を置いています。 これは、構造化されたワークフロー、ガバナンス、変更管理、自動化に大きく依存しています。
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システム パターンは、次のようなさまざまな特性を通じて組織に価値をもたらします。
- ビジネス クリティカルなアプリケーションとミッション クリティカルなアプリケーションを企業に提供します。
- 焦点を絞った使いやすい Web アプリケーションとモバイル アプリケーションを通じて、技術関係者と非技術関係者の幅広い関与を促します。
- パフォーマンス、セキュリティー、スケーラビリティー、アクセシビリティー、可用性などのエンタープライズレベルの技術要件を適用し、必要に応じて高レベルのビジネス継続性を提供します。
- エンタープライズ アプリケーションを介して表示されるデータの正確性、即応性、可用性に対する高い信頼性を確保します。
ArcGIS システム パターンを初めて使用する場合は、まずイントロダクションを確認してください。
ユーザー ペルソナとワークフロー
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムを最もよく操作するユーザー ペルソナと、このシステムを使用して通常実行するワークフローとタスクの種類を次に示します。
- 一般ユーザー。 一般ユーザーは、システムによってホストされるアプリケーションを操作します。 アプリケーションの操作は、データの単純な表示から、より複雑で入り組んだワークフローまで多岐にわたることがあります。 一般ユーザーがアプリケーション内で携わることができるワークフローや操作は、通常は制限されています。
- コンテンツ クリエーターおよびアプリケーション開発者。 これらの 2 つの役割は、このシステムによってホストおよび管理されるアプリケーションを構築するために、下位環境のバックグラウンドで機能します。 セルフサービスのマッピング、解析、共有システムとは異なり、これらのユーザーは通常、データやその他のコンテンツをシステムに直接公開して共有しません。 すべてのデータ管理やコンテンツ管理のニーズに対応するには、データ所有者、データ管理者、その他の管理者の役割に頼ることがほとんどです。
- データ所有者。 データ所有者は、このシステムでホストおよび管理されるアプリケーションをサポートするデータセットに対して責任を負い、 通常は、設計、監視、管理を行います。また、このシステムで稼働するアプリケーションの機能的および非機能的なニーズをサポートするように、データを設計、公開、ホストすることが業務に含まれることもあります。
- データ管理者。 データ管理者は通常、このシステムでホストおよび管理されるアプリケーションをサポートするデータセットに対する日常的な管理を担当します。
アプリケーション
ArcGIS には多数のアプリケーション、Web サイト、エクスペリエンスが用意されています。 上記のペルソナがエンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムとインターフェイスするために最もよく使用するものを以下に示します。
- マッピング API と SDK を使用して構築されたカスタム アプリケーションは、このシステム パターンで非常に一般的ですが、このような広範なユーザーに焦点を絞ったアプリとエクスペリエンスを提供するには、カスタマイズが必要となることがほとんどです。
- アプリケーション ビルダーは、このシステム パターンで、一般ユーザーが広く使用する Web アプリケーションを作成するために使われます。 アプリケーション ビルダーには、ArcGIS Instant Apps、ArcGIS Dashboards、ArcGIS Story Maps、ArcGIS Experience Builder などがあります。 セルフサービスのマッピング、解析、システムとは異なり、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムのアプリケーション ビルダーは、下位環境でアプリケーションを作成するためにバックグラウンドで使用されます。
- ArcGIS Hub および ArcGIS Enterprise Sites は、組織全体のユーザーに対してコンテンツを整理して配布するためによく使用される Web サイトに、アプリとコンテンツを統合します。 これらの Web サイトは簡単に作成できるため、組織のユーザーベースのさまざまなセグメントに合わせてカスタマイズされたデスティネーション体験が可能になります。 アプリケーション ビルダーと同様に、これらのサイト ビルダーは、慎重に制御され、管理されたワークフローを通じて一般ユーザーと共有する Web サイトを作成するためにバックグラウンドで使用されます。
- ArcGIS Solutions は、多くの業界向けに、すぐに使用できる構成可能なソリューションを提供します。 ArcGIS Solutions には、このシステム パターンでよく使用される業界向けのアプリケーションが含まれています。
- ネイティブ モバイル アプリケーションは、通常、このシステムを通じて提供され、現場でさまざまなワークフローをサポートします。 これらのアプリケーションには、Android、iOS、watchOS、Windows デバイスで利用できるオールインワンのモバイル アプリケーションである ArcGIS Field Maps のほか、ArcGIS Navigator、ArcGIS Workforce、ArcGIS QuickCapture などがあります。 位置情報の共有を有効にすることで、現場ユーザーの位置のトラックを共有することもできます。 これらのアプリケーションの多くは、ネットワーク接続の有無にかかわらず動作しますが、オフライン (非接続) ワークフローの詳細については、以下の関連するシステム パターンをご参照ください。
- ArcGIS Survey123 は、Web デバイスおよびモバイル デバイス向けのフォーム中心のデータ収集ソリューションです。 ArcGIS Survey123 は、フォーム中心の調査を通じて、企業または公共の関係者の大規模なグループからデータを収集するために、このシステムを通じて提供されることがあります。
- ArcGIS Microsoft 365 は、Microsoft Excel、Power BI、SharePoint、Teams などの使い慣れたビジネス生産性ツールに位置情報機能を提供します。 ArcGIS for Microsoft 365 には、ノーコードおよびローコードの自動化フローに空間機能を組み込むための Power Automate 用のコネクターも用意されています。
- ArcGIS Earth は、地球上のイベントを計画、視覚化、評価するための無料の汎用対話型 3D エクスペリエンスです。 ArcGIS Earth は KML を強力にサポートしており、デスクトップ デバイスとモバイル デバイスの両方で使用できます。
- 業界に重点を置いた製品やソリューションを通じて提供される追加のアプリも、このシステム パターンを使用する場合があります。 これには、ArcGIS Indoors、ArcGIS Workflow Manager、Esri Redistricting、ArcGIS Mission などがありますが、これらに限定されません。 これらのアプリケーションの設計とデプロイメントでは、このシステム パターンに通常関連する SLA と技術要件を満たすために、特別な考慮事項が必要になる場合があります。
- アプリケーション ビルダーやサイト ビルダーに加えて、このパターンを通じて提供されるデータ、サービス、およびアプリケーションを作成および管理するために、他のアプリケーションもよく使われます。 これには、通常、マップの作成やデータの管理に使用されるポータル Web サイトと、このシステム パターンで管理ワークフローや自動化ワークフローに使用される ArcGIS Notebook が含まれています。 また、GIS 専門家や組織で専門家の役割を持つ他のユーザーが、地理空間データの管理などの高度な地理空間作業を行うために使用するデスクトップ アプリケーションである ArcGIS Pro も含まれています。
ArcGIS が提供するすべてのアプリケーションの詳細については、ArcGIS の概要のアプリケーション アーキテクチャーをご参照ください。
機能
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムに備わっている主な機能を以下で紹介します。これらの機能には、一般的な機能と、業界固有の機能およびソリューションの両方があります。 エンタープライズ アプリケーションで使用される機能のうち、通常は他のシステムによって提供される機能 (ベースマップ、ジオコーディング、位置情報サービス システムによって提供されるその他の位置情報サービスなど) は、以下に示されていません。 関連するシステム パターンの詳細をご覧ください。
次に示されたすべての機能をすべてのデプロイメント パターンで使用できるわけではありません。 これらの機能がさまざまなデプロイメント コンテキストでどのように適用されるか (または適用されないか) の詳細については、デプロイメント パターンの選択とデプロイメント パターンに関するページをご参照ください。
一般的な機能
- マッピングと視覚化を使用すると、ユーザーは 2D マップと 3D シーンを作成したり操作したりできます。 これには、データ主導の視覚化、3D 視覚化、ベースマップのスタイル設定があります。 マップと視覚化の詳細をご覧ください。
- アプリ構築により、コンテンツ作成者はノーコードまたはローコードのアプローチを使用して Web アプリケーションを作成できます。 また、アプリケーション開発者は、フルコード アプローチを使用して、Web アプリ、ネイティブ モバイル アプリとデスクトップ アプリ、XR (拡張現実)、没入型エクスペリエンスを作成できます。 セルフサービスのマッピング、解析、共有システムとは異なり、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは、アプリ構築機能は本番環境ではなく下位の環境でアプリケーションを構築し、変更管理プロセスを通じて本番環境に昇格します。 ArcGIS Builder と ArcGIS Mapping API および SDK の詳細をご参照ください。
- サイト構築により、組織はノーコードまたはローコードのアプローチを使用してホスト Web サイトを作成できます。 サイト構築は、アプリ構築と同様に、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムの下位環境で実行されます。
- データの公開とホスティングにより、データのセキュアなストレージ、管理、アクセスがサービスとして提供されます。 公開されたデータを使用して、フィーチャ、ベクター タイル、マップ タイル サービスなど、さまざまなタイプのデータ サービスを作成できます。 このシステム パターンでのデータ公開とホスティングは、通常、高度に管理されており、コンテンツ作成者へのセルフサービス機能として提供されません。 データの公開とホスティングの詳細をご参照ください。
- データ編集機能は提供されていますが、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは一般的に導入されていません。 このシステム パターンで使用されるデータ編集ワークフローは通常、軽量の調査またはクラウドソーシング スタイルのデータ収集ワークフローです。 データ編集および管理システムの方が、ほとんどのデータ編集ワークフローを適切に適している傾向があります。
- データのインポートとエクスポートでは、データを一括でインポートまたはエクスポートできます。 データのインポートとエクスポートは、アプリケーション向けに最適化されたデータ ストアや情報モデルにデータを読み込むため、および環境間でデータを移動するためによく使用されます。 また、データのインポートに使用できるデータ パイプラインは、一部のデプロイメント パターン用のオプションです。
- データの相互運用性と変換では、ArcGIS Data Interoperability に備わっているビジュアル プログラミング インターフェイスを使用して、数百のシステム間とアプリ間でデータを移動させることができます。 また、データ パイプラインは、一部のデプロイメント パターン用のオプションです。
- ワークフローの管理と自動化では、ArcGIS Workflow Manager を使用して、チーム全体の作業の調整および自動化をサポートします。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムにおけるワークフロー管理と自動化は、多くの場合、自動化されたステップを多用しながら、焦点を絞ったアプリケーションを通じて公開される対話型のステップの効率化に重点を置く傾向があります。
- 空間結合と空間リレーションシップを使用すると、2 つのデータセットの行を空間リレーションシップに基づいて結合できます。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは、空間結合およびリレーションシップ機能は、通常は位置情報サービス システムによって提供される空間解析サービスに依存する、焦点を絞ったアプリケーションを通じて公開されます。 空間結合とリレーションシップをご参照ください。
- ネットワーク解析は、多数の目的地を訪問するための最適化されたルートの作成、最寄り施設の検索、ある場所の周囲にある到達圏の特定、複数の車両による複数の訪問先への配送など、複雑なネットワークの問題 (通常は道路ネットワーク) の解決に役立ちます。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは、ネットワーク解析機能は、通常は位置情報サービス システムによって提供される空間解析サービスに依存する、焦点を絞ったアプリケーションを通じて公開されます。 ネットワーク解析の詳細をご参照ください。
- パターン解析は、データ内の空間的および時間的なパターンを特定します。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは、パターン解析機能は、通常は位置情報サービス システムによって提供される空間解析サービスに依存する、焦点を絞ったアプリケーションを通じて公開されます。 パターン解析をご参照ください。
- 近接解析では、空間データと他の空間データとの近接性を調べます。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは、近接解析機能は、通常は位置情報サービス システムによって提供される空間解析サービスに依存する、焦点を絞ったアプリケーションを通じて公開されます。 近接解析をご参照ください。
- 集計解析は、データを上位のデータ構造に集約または集計します。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは、集計解析機能は、通常は位置情報サービス システムによって提供される空間解析サービスに依存する、焦点を絞ったアプリケーションを通じて公開されます。 集計解析をご参照ください。
- ジオメトリー解析は、クライアント側の API を使用して、ポイント、ポリライン、またはポリゴンに対して 1 つ以上の操作を実行し、ジオメトリーの問題を解決するプロセスです。 ジオメトリー解析のタイプには、空間リレーションシップ、幾何補正計算、計測操作、新しい空間参照へのデータの投影変換があります。 ジオメトリー解析と、ジオメトリー解析とフィーチャ解析を比較する方法の詳細をご参照ください。
- 3D 視覚的解析は、シーン内に含まれるテレイン、建物、その他の 3D オブジェクトから得られる空間情報を計算して表示する空間解析の一種です。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは、3D 視覚的解析機能は、通常は位置情報サービス システムによって提供される空間解析サービスに依存する、焦点を絞ったアプリケーションを通じて公開されます。 3D 視覚解析の詳細をご参照ください。
業界固有の機能とソリューション
- 屋内 GIS では、ArcGIS Indoors を使用して、ソース CAD、BIM、リアリティー キャプチャー データを組み合わせて 1 つの地理空間データ編集および管理システムを作成します。 ArcGIS Indoors を使用すると、組織は屋内 GIS を構築し、屋内マッピング、ウェイファインディング、空間管理ソフトウェアの機能をすべてのユーザーに提供することができます。 屋内 GIS は、通常、軽量のモバイル アプリやキオスクを通じて幅広い関係者グループ (企業や一般ユーザーなど) に屋内マップやアプリケーションを提供します。 そのため、屋内 GIS の一部は、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムを通じて提供するのが最適です。
- ミッション管理は、指揮統制に地理的なアプローチを導入します。 ArcGIS Mission を利用したミッション管理は、リアルタイム データを他の運用データ ソースやアセット データ ソースと融合することで、ミッションの運用を合理化し、意思決定に役立つ情報を提供します。
- その他の業界ソリューションは、ArcGIS Solutions が提供する、すぐにデプロイできる業界固有の ArcGIS 構成です。
アーキテクチャーに関する検討事項
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは、ArcGIS を使用して構築されます。 このセクションでは、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムが ArcGIS アーキテクチャーの特定の側面とどのように連携し、どのように焦点を当てるかについて詳しく説明します。
アーキテクチャーに関する詳細な検討事項については、デプロイメント パターンの選択をご参照ください。
データ (永続性)

エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは主に、ファイル、オブジェクト、データベース、およびクラウド データ ウェアハウス ストアに格納されたリレーショナル データまたは画像データを処理します。 これらのソースのデータは、このシステムでは管理されない可能性があります。むしろ、Web アクセスのためや、焦点を絞ったエンタープライズ アプリケーションで使用するために、このシステムに公開される可能性があります。
ArcGIS のデータ モデルとルールは、一般に、豊富なマッピング、視覚化、および解析機能をサポートするために使用されます。 業界固有のデータ モデルは、業界固有のアプリケーション機能を有効にするためにもよく使用されます。
リアルタイム フィードおよび IoT フィードは、通常、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムでは提供も管理もされませんが、このフィードはアプリケーション層に組み込まれる場合があります。 リアルタイム データ ストリーミングおよび解析システムの詳細をご参照ください。
また、アプリケーション、特にパフォーマンスと可用性について厳格な SLA が適用されるアプリケーションでは、主にこのシステムに存在するが、他のシステムで管理されているデータから読み込まれたり同期されたりするアプリケーション固有のデータ ストアおよびモデルを利用することも一般的です。
サービス (ロジック)

エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは、通常、データ アクセスとクエリー、対話型マッピング、ベースマップ、参照レイヤー、および空間解析機能を活用する、焦点を絞ったアプリケーションを提供します。 データ編集は、通常はフォームベースの調査や焦点を絞ったクラウドソーシング アプリケーションとして、このパターンを通じて提供されることもありますが、ほとんどのデータ編集ニーズは、データ編集および管理システムでより適切に対処できます。 より高度な機能や特殊な機能の一部は、通常、他のシステムを通じて提供されます (多くの場合、厳格な SLA が適用されていません)。
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは、他のシステム パターンと比較してポータル サービスの使用が少ない傾向があります。これは、このシステム パターンでは、組織内でのセルフサービス コンテンツの作成、共有、コラボレーションを強化することよりも、エンタープライズ アプリケーションの提供と、それに伴う厳格な技術的または非機能的な要求に重点を置いている傾向があるからです。 セルフサービスのマッピング、解析、共有システムの詳細をご覧ください。
ArcGIS REST API は、アプリケーション アクセスのためのシステムへの主要なエンドポイントとして使用されますが、一部のアプリケーションでは、他のサービスベースの API が使用されることもあります。
アプリケーション (プレゼンテーション層)

エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは、すぐに使用できるアプリケーション、アプリ ビルダーとサイト ビルダー、Esri が提供するマッピング SDK を活用してエンタープライズ アプリケーションを提供します。 マッピング API と SDK を使用して開発されたカスタム アプリケーションは、企業や公共の関係者に最適にカスタマイズされたエクスペリエンスを提供できるため、このシステムでは特に一般的です。
このシステム パターンを通じて企業または公共の関係者に提供されるアプリケーションは、焦点を絞った傾向があり、明確に定義された対象ユーザーとワークフローをサポートします。 レスポンシブ設計アプローチやモバイルファースト設計アプローチは、このシステム パターンでホストおよび管理されるアプリケーションに一般的に採用されます。
詳細については、上記のアプリケーションのセクションをご参照ください。
サポート
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは、ビジネス クリティカルなアプリケーションやミッション クリティカルなアプリケーションを企業や公共の関係者に提供するために一般的に使用されています。 これらのシステムは、組織内の他の重要なシステムと同様の検討が必要です。
設計および運用されるエンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは通常、高いレベルの信頼性、セキュリティー、可観測性、パフォーマンス、およびスケーラビリティーを備えています。 また、強力なガバナンスの実践と基準は、システムがビジネスのニーズに応じて成長、拡張、進化すると同時に、非機能的な IT 要件に準拠するのにも役立ちます。
多くのエンタープライズ アプリケーションでは、複数の情報システムからデータや機能をまとめる必要があるため、他のシステムとの統合は一般的です。
自動化は、主に管理ワークフローで非常に一般的に行われます。より一貫性のある信頼性の高い操作を提供し、人為的エラーの可能性を減らすことが多いからです。 自動化は、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムへのデータの移動を促進および効率化するためにも採用できます。
一般的なサポートとアーキテクチャーに関する検討事項については、アーキテクチャーの実践および Well-Architected Framework のアーキテクチャーの柱をご参照ください。
関連するシステム パターン
エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システムは、多くの場合、他の ArcGIS システム パターンと組み合わされます。 一般的な例を次にいくつか挙げます。
システム パターンを統合または構成する方法の詳細については、システム パターンの使用をご参照ください
例
このシステム パターンにおける業界固有のシステムとして、次のような例があります。
- 商業分野。 商業用不動産、金融サービス、小売業界の組織は、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システム パターンを利用して、内部ユーザーと外部ユーザーの両方に完全なソリューションを提供できます。 アプリケーションの例としては、内部向けの状況認識アプリ、市場または競合他社の解析アプリ、一般向けの店舗検索アプリなどがあります。 通常、公開アプリケーションはカスタム アプリケーションで、高い SLA 要件があり、組織のブランド化要件を満たすように設計されています。 たとえば、デジタル ツインと未来のストアをご参照ください。
- 保健福祉サービス。 医療機関と公衆衛生機関は、エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システム パターンを利用して、公衆衛生と医療アクセスを通知するマップとアプリケーションを共有できます。 このパターンの最近の例としては、John’s Hopkins の COVID-19 ダッシュボード (運用終了) が挙げられます。 これらの医療および福祉サービス アプリケーションは、報道機関や公衆衛生機関に対して、公衆に危険を及ぼす可能性のある病気の発生や感染の増加を警告することができます。 これらは、対応戦略を通知し、多くのユーザーを共通のデータセットに整合させるうえで役立ちます。 ダッシュボードには、アクセス制御に基づいてビューアーに適応する内部ビューと外部ビューが含まれる場合があります。 このパターンのマップとアプリケーションは高い SLA 要件があり、精度とプライバシーについて厳しい審査を受けています。
- 保険。 保険業界の組織は、ダッシュボードとアプリケーションを使用して、応答時間、請求データ、および顧客サービス情報をさまざまなユーザーと共有することがあります。 さらに、従業員が停電対応、ルーティング、および空間的な意思決定を行うことを目的とした、内部向けのマップやアプリケーションを使用する場合があります。 また、保険会社は、リスク、機会、販売情報を編集不可能なアプリケーションでユーザーと共有することもできます。これにより、多くのユーザーが共有データに基づいて個々のメトリクスを収集できるようになります。 保険ベースのデモ ビデオはこちらからご覧ください。
- 中央政府。 中央政府機関は、大規模な情報データセットをユーザーと共有し、ダッシュボードまたはアプリケーション フレームを使用してフィルター、検索、簡易解析、ルーティングを実現できます。 また、中央政府機関は、地方自治体や保健福祉サービスなどの他の機関と協力して、包括的な状況認識製品を開発することもあります。 これらのアプリケーションは一般に公開されていることもありますが、コンテンツは編集できないようになっています。 この分野で人気のある例としては、災害対応と復興における人道的取り組みや公衆衛生準備マッピングなどがあります。 ArcGIS Experience Builder アプリケーションが、NOAA が管理するジョージア州沖のグレイズ リーフ国立海洋保護区をどのようにサポートしているかをご覧ください。
- 天然資源。 エンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システム パターンにより、石油・ガス会社は、関心のある無数の関係者とアプリケーションを共有できます。 天然資源の分野には、林業、鉱業、パイプライン、石油、農業などのさまざまなユーザーが含まれます。 Nigeria Agrolog Limited のある組織が取り組んでいることをご覧ください。
- 地方自治体。 州と地方の機関は、データを利用して、市民に効果的なサービスを提供しています。 州政府や地方自治体の組織内での幅広いワークフローを網羅する数々のアプリケーションがあります。 例としては、ブレバード郡のストリート ビューアー アプリケーションや、カサブランカの一連の不動産管理アプリなどがあります。
- 交通。 交通機関は、アプリケーションを使用して、MassDOT MaPIT などのプロジェクトを通じて予算決定に協力したり、この CDOT ケース スタディーで詳しく説明されているように、道路規制や危険物輸送ルートの要件を伝達したりできます。
- 公益事業。 公益事業では、Chugach Electric Association が行ったようなエンタープライズ アプリケーションのホスティングおよび管理システム パターンを使用して、運用を近代化し、効率と情報アクセスを向上させることができます。